理事長室

第5弾:熊本の目指すもの ~ 三助精神 

  • 2020.10.12
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 菅総理が誕生しました。勝ち馬に乗りたい自民党の各派閥が勝手に動いたら「菅さんになっちゃった」という決まり方でしたので、国民は冷めていると思いきや、意外と支持率は高いようです。イチゴ農家の出身で、自ら学費を工場で稼ぎ勉強した苦労人という経歴が受けているようです。世論調査では「人柄が信用できる」が一番の理由になっています。確かに政治家にありがちな「しらー」とした嘘をつきそうにない感じの方ではあります。
 さて、菅総理が示した理念が「自助、共助、公助」の三助精神です。最近、私もよく使っていた言葉なので、親近感を覚えたのですが、マスコミの識者と言われる方々のコメントは批判的なものが多いようです。「コロナで痛い目にあっている国民にさらに自助を強要するのか。」「政策の失敗を国民の努力不足にすり替えようとしている。」「感覚がずれている。」などが代表的な論調ですが、少し、助太刀したい気になりました。私は、コロナ禍だからこそ、この言葉が出てきたのだと思います。
 「あなたの国があなたに何を出来るかを問うのではなく、あなたがあなたの国に何を出来るかを問って欲しい」ケネディー大統領が1961年初めての就任演説に語った言葉は有名ですが、彼の娘でキャロラインケネディー前駐日大使は、これは日本の上杉鷹山の影響を受けたものであると言っています。上杉鷹山は江戸時代の破綻寸前だった米沢藩を立て直した名君ですが、その基本理念こそが、三助精神でした。1960年代のアメリカは内憂外患が山積していました。内政では不況、外政ではソビエトとキューバ危機であわや核戦争というところまで行きました。国難にあって、国のトップに初めての演説であえて国民の奮起と結束を呼びかけましたが、ここを受け入れる所がアメリカという国の強さであると思います。

 現在のコロナ禍は我々がこれまで経験したことのない状況を作り出しています。まさに国難です。そして国民の協力なしに感染を止めることは出来ません。残念ながら菅さんから崇高な理念や国民を唸らせるような名演説は出てきそうにありませんが、田舎の伯父さんが持っている道理のようなものは感じられます。日本のマスコミがだめなのは昔からですが、国民のバランス感覚は超一流だと思っています。ひょっとして内閣支持率の高さは、野暮ったいけど実のあるリーダーと国民が嗅ぎ取ったのかもしれません。菅さんには支持率の高さの誘惑に負けて衆議院の解散などをせず、今できることに堅実に取り組んでいただきたい。と切に期待するものであります。