理事長室

異論「でも自動車は四輪だよね」

  • 2021.3.1
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 読者の方から、「やっぱり四本足ではないか」という指摘をいただきました。その理由が面白かったので、紹介させていただきます。
 自動車のタイヤは四本が主流であり、移動機能の最適化を考えると物理的には四本足が最適なのではないか」というご指摘です。確かに一理あります。
 自動車で六本タイヤが普及していないには明らかです。一言でいえば、オーバースペックです。安定性には多少寄与すると思いますが、部品代が嵩み価格が高くなります。また、接地面が増えるので、燃費も悪くなります。このため、荷台に荷重が重く、車幅が大きい大型トラックのような特殊車両以外に六輪車は作られていません。経済合理性から見て四輪車は最適であり、平坦な舗装された道路を走る場合、移動機能の面でも四輪車の優位性はご指摘の通りです。
 昆虫の世界を少し想像してみると、足の必要性は移動時よりも、むしろ止まっている時(正確には捉まっている時)の方が重要なのかもしれません。蝶や蜂の移動手段は足より羽根になります。お目当ての蜜がある花は突端部分にあり、かなり不安な足場です。また、蚊やハエが飛び回っている時は激しく羽根を動かすので、休息が必要になりますが、停まる場所は平坦な所ではなく、天井や壁などですから、足でしっかりと固定しなくてはなりません。昆虫の行動を観察していると、後ろ足四本でしっかりの固定化して、前足の二本は方向性の舵や一部では手の代替のようなに使っているようです。ただ、蟻のように羽が退化し、地上をはい回る昆虫たちの中に六本足が退化した例はありませんので、生物学的にはやはり六本足だと思います。

 また、4と6の争いではなく、2と4の争い、つまり、地上で一番進化した人類が二本足だから二本足が最適なのではないかという異論もあると思いますので、ついでに整理しておきます。この件については、足が退化したというより、進化して羽や手になったというのが理解ですので、二本足が最適化なので二本足になったというのはやや言い過ぎだと思います。ただ、二本足になったことで、移動機能が劣化したかというと一概には言えない部分があります。アフリカの草原で100m走を他の動物とやると、人類はビリの集団に入りますが、マラソンだと結構メダル候補になるようです。二足歩行によって、運動効率が良くなり、持久力はむしろ上がったように思えます。
 この話、自動車とバイクのどちらが優れた乗り物かと問っているのに近い感じです。安全性、居住性は自動車が上ですが、バイクの方がコンパクトで、燃費は圧倒的にいいはずです。どちらに優位性があるかの問題は、どの機能を重要視するかによって決まります。
 最後にもう一つ。自動車のAI技術などの技術革新で自動運転は夢物語ではなくなってきましたが、バイクの自動運転というのは可能なんでしょうか。そもそもバイクに乗りたい人が自動化を望まないでしょうし、バイクの場合、乗り手が体幹を使って体重移動するなど、技術自体も格段に難しそうです。 
 同じように二本足の方が四本足よりも脳で高度な制御をしている可能性は高いと思います。他の生物と比較して二本足の鳥類や霊長類の知能が高いのは明らかです。二足歩行になったから知能が高くなったのか、もともと高い生物が二足歩行になったのか、よくわかりませんが、足の数と知能には相関関係はあるように思われます。